ドイツでの生活について

ドイツのグローバル企業で奮闘するひとのブログ。海外就職のコツ、海外求人の探し方、海外(ドイツ)生活の模様を執筆。

ご冗談でしょう、ドイツよ(2)

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ケルン市内に住み、デュッセルドルフ市内へ毎日片道1時間。中央駅でローカル電車のトラムに乗り換え、日々通勤。よくある通勤条件だが、日本と比べると体力的に疲れるのは理由がある。

  1. インターネットが圧倒的に弱い
  2. 電車の不安定性
  3. 椅子の狭さ
  4. 多発する電車遅延

端的に言うと、「ドイツ鉄道、マジか…」である。もしくは、「JR、ありがとう」かもしれない。

1.インターネットが圧倒的に弱い

まずはドイツでは全体的モバイルインターネットの接続スピードが遅いくせに、利用料金が高い。国土の広さと人口の少なさが原因だろうか。ドイツの人口密度は北海道と同等と聞いたことがある。確かに、「都市」圏内を抜ければそこは既に小麦畑が永遠と広がる田舎ゆえん、電波を取得しずらい。1記事を読むのに多少イラッとするレベルの時間はかかる。少し前の東京がそうだったように、地下鉄では電波はつながらない。もはや電車通勤の時間は、スマホから少し離れて、瞑想する時間と化す。

2.電車の不安定性

隣国オランダに行くとわかるのだが、電車のつくり自体が雑というか、単純に年季が入っているからなのか、スピードを出すのも遅いし、ブレーキ音ががなり立って、とにかくよく揺れるのである。オランダの快速電車はすごく静かで、日本の新幹線にも似た快適さがあるのだが、なんでこうも違うかな、と若干謎である。ただしこれはIC、ICEなど特急料金を払って乗れるワンランク上の種類の電車に変えるだけで大きく改善される。追加料金のない一般ピーポーが日々乗る快速電車も、早いところ新装されればいいのだけれども。

3.椅子の狭さ

f:id:Deutschexkoln:20161218235959j:plain体のサイズは日本人より大柄な欧米において、椅子のサイズ、特に足のスペースは日本より狭いというのが、どうにも理解できない。これは高速バス等公共の交通機関にはおしなべて言えることだが、なぜこのような設計にしたのだろうかと毎回不思議だ。特に4人がけスペースは膝が前の人にくっつくすれすれの設計で、家族や友人同士ならいいのだろうが、毎朝の満員の通勤時に見知らぬ他人と膝を合わせる時などはなんだかな~と思ってしまう。さらに窓際にゴミ箱が付いているはいいのだが、下手に開けるともちろん窓際の人の膝に当たるし、大体そのゴミ箱もみんなの朝食のバナナの皮やコーヒーカップが溢れているのが常で、ああ~ァとなる。

4.多発する電車遅延

これはまあ、日本以外の国は大体こういうものだと思うけれども。それにしても。30分遅延は週に1回、夏の旅行シーズンや雪の日になれば週に2~3回は当たり前。雪国ドイツって雪にも弱いの!?という感じだけれども、エリアによって対策有無は異なるし、私の住むケルンは冬の気温は東京レベルまでしか下がらないので、残念ながら弱いのである。勿論、待っていれば電車は来るが、予告された遅延時間に来ないことも。たとえば30分遅延だから駅ナカで買い物でもしよう~とプラプラしている間に、実は27分後に電車が来ていて、肝心の30分後には電車は過ぎ去っているということはよくある。そんなことがあっても日本のようにアナウンスがバンバン流れるはずもなく、気づいたときには時既に遅し。たまに大荷物を引っさげた旅行者がホームでうなだれているのを見る。残念ながら山手線のように3分おきに電車が来るはずもなく、更に20分、寒空の中でカフェ片手に次の電車を待つのだ。

 

そういうことで、ドイツ鉄道には色々としてやられているが、余計な期待をしないことで自己責任で時間は管理し、何があっても温厚に過ごすというのが、うまく付き合う鍵である。ドイツ鉄道を恨めしく思って車で通勤している人も多いが、車は車で渋滞と駐車場事情がまた酷く、どっちもどっちというのが現状だ。東京の通勤地獄とはまた違った苦しさがドイツにもあり、そういうことで、田舎町でも会社のある街に住む人は多い。とはいえ、パリやロンドンでは同じような人間鮨詰め地下鉄(しかもワキガ率高し)が運行されていることを考えると、満員電車に当たることも少ないケルンはまだましかも知れない。

海外就職への道(1)

f:id:Deutschexkoln:20161218230035p:plain実際、海外で働いてみたいという人は多いと思うのだが、アクションを起こすひとは余りみかけない。日本で暮らしながら外資で働くだけでもグローバルな働き方は可能だし、大体日本はコンビニがあり安全便利な母国だ。良い学歴を持っていればなおさら、グローバル環境に飛び込んだところでそれらが何の意味もなさず、これまでの待遇とのギャップに苦しむことになるのは用意に想像できる。環境も言葉も全く違う生活。

 

しかしこれは、実際やってみると大した問題ではなく、むしろ何の結果を出して日本に帰るかということのほうが大事になる。一足踏み出してみると、それまで色々と悩んでいたことがウソのように、やるべきことがガラリと変わる。そして、人生をかけたリスクテイカーになってみると、周りはそれだけで評価してくれる。。。w

私は現在、社員の90%が諸外国から集まっているドイツの現地企業で勤務している。初の海外就職、初の海外長期滞在、留学経験なし、文系学部卒の純日本人である。1年経って、なんとかやっている。

海外就職するための戦略は?

これは間違いなく「日本人であることを売る」だ。

日本とその他グローバル市場の「常識」は、私達が思っている以上に大きく異なっている。多くの海外企業が海外スタイルそのままに日本市場に殴り込みをかけ、大敗していくのが卑近な例で。逆に言えば、「日本で育った」私達が、「日本ネイティブの感覚」を「海外の人たちに教えてあげる」ことができれば、その会社に自分の存在意義をもたらすことができる。

IT企業は特にグローバル展開に積極的だと思うが、特に旅行業界、ファッション業界は特に日本市場へ割って入りたい企業が多いのでは。

日本人でなくてもできるような、例えばプログラマーやデザイナー等のスキルを海外で試すことも海外就職の一つの道だが、そのような特別なバックグラウンドが無くても海外就職はできるというのが重要だ。

人生初の海外就職のためにやるべきこと

私が海外で就活をするときにやったこと、それは以下の2つだった。

  1. 海外企業に応募

  2. 英語レジュメと英語面接の準備

つまりは、企業への応募には日本のエージェントを通すのではなく、海外のプラットフォームでやるべし、準備は怠るべからずということ。

応募する職種は

過去の経歴がそもまま生きるポジションが諸外国にもあるのであれば、それに絞って応募するべきである。元営業であっても、カスタマージャーニーを理解しているという意味でマーケティングのジュニアポジションに応募することも可能だ。日本を離れて海外で就職しようという人材のほうが遥かに少ないので、日本市場の知識を持っているという点で、貴重がられることは間違いない。しかしそれらが難しくても、一般的な社会人経験があれば、最低限ローカル言語を必要とする「カスタマーサポート」は応募ハードルが最も低いポジションだ。AppleやAmazon、TripAdviserやBooking.comなど、海外拠点での募集は多い。

英語スキルの有無

英語スキルが足りない…それは誰もが通る関門。私も相当に自信がなかった。留学したことないし、文法も違うし…。しかし、いざこちらへ来てみるとそれは言い訳にならない。なぜなら、文法が間違っていようが、発音がとんでもないものであろうが、とにかくめげずに言いたいことを伝えられるスキルのほうが大事だから。それは事前準備と、ちょっとメンタルを強くするくらいで乗り越えられるもので、後はトライアンドエラー。海外は(一部の米系スパルタ成果主義企業を除いて)基本、トライアンドエラーにオープンだ。

とは言っても、文法構造からして大きく違う英語能力が不安なのはよく分かる。私もいつも不安だったので、勉強することで解消していた。海外ドラマ、海外アニメ、海外YouTuberからナマの英語を仕入れ、たまに文法をGrammer In Useで復習という、基本コースだ。

 

 ということで、みなさん一歩踏み出して見てください。

ご冗談でしょう、ドイツよ(1)

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初めの2ヶ月は何もかもが新鮮だったドイツも、だんだん飽きてくる。ちょうど4ヶ月目くらいだ。

東京でOLをしていると、グルメが向こう3日の気分を左右する一大トピックであるが、こちらに来てからはめっきりそんなことがなくなった。「味が薄い」「高い」「食べきれない」の三重苦で、外食の回数がめっきり減った。当たり前だが、セブンもファミマもない。柔らかくて溶ける白いパンのサンドイッチも、からしマヨビーム付きの一平ちゃん焼きそばも、パッケージが空気でパンパンに満たされた明太子マヨおにぎりも食べられない。味云々の前に、そういう、丁寧な包装されたホコリのついていない商品自体、懐かしく感じる。

ドイツでは食は諦めなければならない。食を諦めれば、1日7時間労働で年休25日全消化の労働環境が手に入るのだから、できないことはないのだ。諦めるしかないのだ。

お金のない学生のメインディッシュといえばドネルケバブ。あちらこちらに店があり、それぞれ味も異なるので、どの店が美味いか必ず聞き込み調査をしましょう。量も脂も多いので最初は食べきれる筈もなく、そのくせ4EUR程度はとられる。セブンでパスタサラダを買って帰る気分でドネルを頼むと、お財布とカロリー的に見合わない羽目に陥る。だからしばらく嫌厭していたけれど、滞在5ヶ月目にして初めてドネルを美味しいと感じてからは、かの地の食に対する絶望から一筋の光が見えた瞬間で、人間の適応能力を実感した。

ドイツ料理はといえば、肉とジャガイモの煮込み料理のオンパレード。なおかつ最終的な味付けは、テーブルの塩コショウで各人整えてくださいスタイル。5ツ星のレストランに行っても、シェフがこだわり抜いた味を100%お届けする気はハナからない。1皿10EUR程度、水はないので何かしら飲み物を頼まなければ、行く末お腹が苦しくなる。そうすれば15~20EUR程度は飛ぶ。また、夜9時以降に家に帰ると、トラムの本数が一気に少なくなっている。これは通勤通学時間内と時間外で運行本数を調整しているためで、遅くなれば15分に1本とかが普通。そういう金銭的時間的諸々を考えると、食事して帰るのも面倒くさくなる。夜中の1時まで3分おきに山手線来てたのが懐かしい。

ドイツ人の舌を信じてはならない。味付けも基本テーブル塩コショウなので、要は味覚が発達していない。日本に行ったことがない奴が紹介する日本料理屋なんか、そんな手榴弾は寿司パーティでもオーガナイズして速攻投げ返せ。

ヒップスター料理は美味しい。ハンバーガー、メキシカン、窯焼きピザ、日本料理。大量ヒゲの黒縁メガネの店員が一人でもいたら、試してみる価値はある。彼らにはアメリカの影響も色濃いので、アメリカナイズドされた日本人には馴染みやすい。

そして何より、マクドナルドやKFC、バーガーキングなどのグローバルチェーンは安定だ。クラブ帰りの鉄板はマックのチーズバーガー。1.2EURで渋谷でいつもパクついていた半分溶けたチーズが食べられるのは至福この上ない。ホームの味以外の何物でもない。さらに、チキンバーガーはマヨネーズが入った日本版とは異なり、スイートチリソースが入っている。マックでまさかのアジアン風テイストに出会えるのだ。惜しむ術なく、マックはもはやママの味である。

渡欧当初は、毎日納豆を持参して米を食べる同僚を見て、外国に馴染めないってかわいそうだなと思っていた。隠すまでもなく、ルーツは簡単には消せないのだ。私は日本食を頑なに3ヶ月摂取しなかったら、自律神経が若干狂った。来る前は考えもしなかったが、習慣というものはそういうことらしい。